2019年11月8日に日本法科学技術学会主催の第25回 学術集会において、弊社技術スタッフが「火災焼残物中の油性成分分析に対する水素キャリアGC/MSの適応性」というテーマで調査事例を紹介しました。
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http://www.houkagaku.org/
内容は油性成分分析における水素キャリアGC/MSの適応性についての検討として、
①水素利用に伴う分析室内の安全対策強化
②カラムサイズの検討
③サンプル注入方法の検討
④温調設定の検討
を行った結果、従来の測定結果との再現性が確認され、繰り返し測定による検出パターンや感度変動が認められなかったこと、および従来法よりも15分の測定時間の短縮が可能となりました。
ここ数年はヘリウムガスの安定供給が危ぶまれています。弊社の所有装置も含めGC/MS装置はヘリウムガスの使用を前提に設計されているため、入手困難になれば支障規模は計り知れません。装置メーカーなどからヘリウムガスの代替として水素ガスを用いる取り組みが行われていますが、今回の発表事例とする火災焼残物中の油性成分分析も含め、実用的な事例はまだまだ少ないのが現状です。
これからも引き続き測定事例・実績を積み重ね、ヘリウムガスの供給不足の影響を最小限に留め、今後もお客様からのご依頼にお応えできるよう取り組んでまいります。