全有機体炭素計(TOC)
島津製作所製 TOC-LCPH(燃焼触媒酸化方式)高感度モデル
本TOC装置は、680℃燃焼触媒酸化方式の不揮発性有機体や高分子状有機体などの難分解性有機体炭素を効率的に酸化出来る装置で、「全炭素(TC)」,「無機炭素(IC)」,「全有機体炭素(TOC=TC-IC)」,「不揮発性有機炭素(NPOC)」が測定可能です。
部品,製品等の洗浄評価・溶出物量評価
金属製品を切削加工する際、油性切削油を用いることが多々ありますが、製品出荷時には切削油が極微量でも残存していない証明(試験報告書)の提出をエンドユーザー様から要求されるケースがございます。また、Oリング等の製品が水に触れる個所に使用される部品である場合、水への溶出物量評価を求められるケースもございます。
当社では、こうしたニーズのお客様へのサービスとして、TOC装置による洗浄評価・溶出物量評価サービスを提供しています。
整形外科用インプラントの清浄度評価(ISO 19227:2018)
整形外科用インプラントは、人体との生体適合性が重要であり、ISO 19227:2018にはインプラント製造工程の最終段階の品質調査の一つとして「有機汚れの評価」を本TOC装置で行っています。
ボイラー/補給水や工業用蒸気発生システムで使用される水質管理(ICの管理)に よる炭酸腐食の予防
ボイラー/補給水や工業用蒸気発生システムでは、ボイラー内で炭酸ガスを起因とする復水ライン配管炭酸腐食が発生するケースがあります。
ボイラーで発生した炭酸ガスは、蒸気と共に運ばれ、復水ライン内で水に再溶解し、ラインの水中で炭酸塩と重炭酸塩の2種類の塩(無機炭酸塩)を形成します。
これらの塩が復水ライン中の水(凝縮水)に吸収されるとpHが低下し、酸性の溶液が重炭酸鉄Fe(HCO₃)₂の生成を介し、ボイラーおよびボイラーパイプの壁を腐食します。
こうした腐食予防として復水ライン中の無機炭素(IC)濃度を定期モニタリング管理すれば配管の炭酸腐食発生を防ぐことにお役立ていただけます。
各種分析事例
様々な水試料中の全有機炭素測定
- 上水
- 環境水(井戸水,河川水,海水)
- 排水
- イオン交換水
- 純水
無機炭素(IC),全炭素(TC)測定による全有機体炭素(TOC)濃度 及び 不揮発性有機炭素(NPOC)濃度評価など、多様な水質評価に有効な装置になります。